さくっと読めるオススメ経済本

試験勉強との兼ね合いて、最近ほとんど読書できてないんですが、さくっと読める経済本を二冊だけ読んでみました。そしたら結構良かったのでご紹介。


▼一冊目。会計の本です。CPA試験が終わって帰りの飛行機で読みました。会計士の試験を受けた直後に会計の入門書を読んで、自分の脳もその落差にびっくりしたことでしょうw

おすすめ。特に「大企業は内部留保を雇用に回せ!」とのたまう方々に読んで頂きたい。

BSとPLのブロックを上下に重ねて図示しているのは、理解がしやすかった。


▼二冊目。投資の本です。つみたて投資推奨本。

コモンズ投信の「コモンズ30」の設定以来、毎月コツコツ積み立てで買付けしているので読んでみた。

つみたて投資をしている場合、運用期間中に一旦上げて下げた場合以外、驚くほど運用成績が良くなる。
「投資を始めるタイミングを選ばない」
「下がっても大丈夫。ストレスから解放されて、安心して投資できる」
ということを、データを用いて解説している本。

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日本経済新聞が毎年年初に「今年の日経平均の年間最高値と最安値はいつ頃か」という質問を有力経営者20人に聞いている。
1985年から2007年の22年間で、回答者の過半数が「年前半に最高値」と答えた年は一度もなかった。
全ての年で、過半数は「年後半に最高値」と回答。しかし、実際に「年後半に最高値」をつけたのはたったの9回。

→このバイアス分かる。そんな気がしてしまうけど、確かに根拠はないな。

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▼カリフォルニア大学バークレー校のピーター・ライマンとハル・ヴァリアンが2000年に発表した調査によると、人類が、洞窟壁画から印刷物まで、30万年かけて蓄積してきた情報量は12EB(エクサバイト。エクサはギガの10億倍)と推計されました。そして2002年にインターネットやテレビなどの電子チャネルを通じて流れた情報量は18EBだったとレポートしています。過去30万年分を、たったの1年間で追い抜いてしまったのです。
 また、IT調査会社のIDC Japanが2007年に報告したレポートでは、2006年に生まれたデジタル情報は161EB、2010年には988EBになると予測されています。

→情報量の計測方法はよく分からないけど、2002年ですら30万年分一気に越えちゃうのか。「現代の情報量は江戸時代の1万倍」と聞いたことがあるけど、もっとケタ違い。ソーシャルフィルタリングしていかないとなぁ。



本当は古典を読みたいんですが、なかなかまとまった時間が取れません。人生で一番思い出に残ってる本が、大学二年生の時に読んだ「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」なので、同じように一生記憶に残る本を読みたい。最近(といっても昨年夏)読んだのでは、ジャケ買いした「たけくらべ」とか。

美麗なカバーに惹かれて購入。いちご100%の人だと後で気付いた。最近ジャケ買いばっかりだな。

たけくらべ」「にごりえ」「十三夜」の三作品が収録されている。明治文学、115年前の作品だけあって、かなり難しい。
例えば、「たけくらべ」の冒頭は、

廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お歯ぐろ溝に燈火うつる三階の騒ぎも手に取るごとく、明けくれなしの車の行来に、はかり知られぬ全盛をうらないて、
「大音寺前と名は仏くさけれど、さりとは陽気の町」
と住みたる人の申しき。

と始まり、これだけで既に解説が6個も付いている。最初の「たけくらべ」が一番難しくて挫折しかけたけど、「にごりえ」「十三夜」は会話が多いので比較的読みやすく、スムーズにいけた。


にごりえ」、「たけくらべ」ともに、娼婦が主人公の話だとは知らなかった。国語の教科書で、作品名しか教えてくれなかっに違和感があったのだけど、ようやく理由を理解した。

巻末の解説に、一葉自身の半井桃水との恋愛模様が書かれていて、勉強になった。

樋口一葉、享年24歳だとか。自分も頑張らなきゃ。



途中で何度も諦めそうになりつつ、苦しみながら読了して、古典が自分の血肉になる爽快感を、もう一度味わってみたいんだよなぁ。