東京証券取引所グループ「中期経営計画(2011年度-2013年度)」

備忘録です。パチンコ屋の消費電力について2時間かけて書いて以来、アウトプットすることの大切さを再認識したので。

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「中期経営計画(2011年度−2013年度)」を策定しました東京証券取引所

3/22リリースのものなので、詳細はニュースサイトより。

東証が2013年度に営業利益を10年度比倍増目指す中計、新規上場・デリバティブ拡大で(Reuters)
東証斉藤社長:来年度の新規上場30社程度に-震災復興で資金需要もBloomberg

東証の中期経営計画によれば、
IPOの拡大」 と デリバティブETF市場の拡大」
が、重点戦略の二本柱。いの一番にIPO


↓そして、IPOの拡大に向けた施策


東証・斉藤社長はIPO件数について「年間60社前後の安定化」を目指しているとのこと。
直近のIPO件数を見てみると、

2011年: ??社(駅探、カルビー
2010年: 22社(第一生命、ポーラ・オルビスHD、大塚HD
2009年: 19社(クックパッド三菱総合研究所
2008年: 49社(グリー、セブン銀行、paperboy&co.)
2007年:121社(ソニーフィナンシャルHD、USJ、スタートトゥデイ)
2006年:188社(ミクシィ野村不動産HD、出光興産、ダスキンビックカメラ
2005年:158社(ディー・エヌ・エーぐるなび、オールアバウト)
※カッコ内は代表的なIPO銘柄

と、底は打ったような気はするものの、まだまだ低空飛行。

改めて見返すと、リーマンショック直後の2009年は、件数も少なければ目立つIPO銘柄も少なかった。19社というのは、第一次オイルショック後の混乱期、1978年以来の32年ぶりの低水準だったとか。そんな大底の年に入社した自分。。。


そして今年。残念ながら震災の影響等で、もうすぐ上場する予定だった3社は全て上場延期に。

募集株式発行及び株式売出しの中止に関する取締役会決議のお知らせ(PDF)(ラクオリア創薬

募集株式発行並びに株式売出しの中止に関する取締役会決議のお知らせ(SEMITEC)

募集による新株式発行及び株式売出しの中止に関する取締役会決議のお知らせ(AvanStrate)

どれも楽しみにしていたので残念。上場「延期」とのことなので、再挑戦を楽しみに待ってます。


ここで最も主張したいのが、「最近のIPOは盛り上がっていないから、自社は上場しないでおこう」と考えるのは早計だ、ということ。
上場準備は2年以上かかるので、2〜3年ずれてくる。将来のマーケットを見据えなくてはいけない。IPOが盛り上がっていた2006年に上場準備を始めたら、どうなっていたことか。
バブルまではいかずとも、徐々に適正水準に落ち着いていくはず。震災前も東証マザーズ指数はじめ、新興市場は密かに盛り上がっていた。

ベンチャー企業は、円高の影響も震災の影響も比較的少ないと思うので、大変な中でも頑張って欲しい。金融に携わるものとして、陰ながら応援しています。